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gallium
「あれ、珍しい」
「来ていたのかね」
出迎えた声に、常になく抑えた声音でロイは応えた。
苛立たしげなそれにエドワードは軽く眉を上げる。本当に珍しい。
外出から戻ったばかりのロイは、エドワードの見遣る先、手荒く外套を脱いでハンガーに放った。
バサリ、重い音を立てて辛うじて引っかかる。
「正装なんて、何かあったワケ?」
続けて軍帽の鍔に手をかけたロイに問いかければ、返事は一瞬の沈黙の後に来た。
「‥‥‥別に、くだらない式典があっただけさ」
そして深く息をつく。
「ふーん‥‥‥」
そんなものかと頷いて少し、エドワードはニンマリと笑う。
「見なかったことにしてあげようか?」
色々と問題アリなその態度を。
その代わり、と持ち出そうとした少年に、
「こういうときは」
取った帽子をロイは被せる。そのまま目深に引き下ろす。
「何も云わずにそうするのが大人というものだよ」
軍帽の硬い布越しに、小さな頭が僅かに揺れた。
鍔に隠されて、その表情は見えない。
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