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germanium
上衣を羽織ろうとした男に、ぼそりと少年は呟いた。
「青が嫌いになりそう」
半身を起こし、目で促す男へとぶすくれた表情で云い募る。
「ここっていつ来ても右向いても左向いても青、青、青!の青一色!! 目がチカチカする。よく飽きないね」
「飽きもせず赤ばかり身に纏う君に云われたくはない台詞だな」
床に落とされた赤いコートを一瞥して男は云った。その言葉に少年が噛み付く。
「オレはそれが気に入ってんのッ」
「支給品に文句を云われてもね」
身勝手な云い分を流して軽く嘆息する。手にしたままの上衣は確かに鮮やかな青。 先に身に着けた下衣も同色だ。
「なら、何色なら満足だね?」
試しにと問いかければ、
「黒。絶っっ対、黒!」
やたらと力の籠もった返答に、男は密かに苦笑する。
「勤勉の黒か。確かに私には相応しいが」
「勝手な解釈してんじゃねーよ。腹黒いからに決まってるだろ」
「理由はともかく、黒は良いかも知れないな」
「だろ?」
同意の言葉に、少年は瞳を輝かせて身を乗り出した。けれど続いたそれに閉口する。
「ああ。君と揃いだ」
「‥‥‥やっぱいいや、青で」
バフッと枕に頭を沈めたエドワードにロイは笑い、鮮やかさが無粋なそれに袖を通した。
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