manganese




「大変そうだね、中間管理職」
男の机に山積みされた書類を前に、にんまりと少年が云う。
「そう思うのなら、少しは協力をしてくれたまえ」
苦い口振りとともに、少年の前にバサッと幾部かが落とされた。並ぶ文字に見覚え。彼が関わったものだ。
「実績を積むのに協力してあげてるんだと思ってよ」
肩を竦め、けれどそのままさりげなく書類を山に戻そうとする少年を、男は据わった目で見上げた。
「むしろ、過労死への一途を後押しされている気がするが?」
「いやいやいや」
オーバーに首を振りかぶり、少年は机上に身を乗り出す。
「ココが無事なうちはまだ大丈夫でしょう」
云って示したのは‥‥‥男の頭、前髪の生え際。
「‥‥‥擦り減る心配があるのは君の方だろう?」
苦虫を噛み潰したような顔で反撃を試みた男は、
「いっそ、心配しなくていいように剃ってみる?」
向けられた鮮やかな笑顔と項に触れた刃物の感触に、嘆息を洩らして次の書類へと手を伸ばした。










マンガン。金属元素の一つ。元素記号 Mn 原子番号二五。原子量五四・九三八。
重金属なくせにやたらとライトな話になってしまいました。
合金鋼4本目。高マンガン鋼は耐摩耗性に特化。

...030611up

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