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sodium
虹の根元に埋まってたのは幸せなんかじゃなくて
「コレかよ」
「‥‥‥何やら、酷く不当な判断を下されたような気がするんだがね」
振り向きざま、派手な溜め息と共に吐き出された言葉にロイは片眉を上げて返した。窓を背にしたエドワードの向こうには光の橋。通り雨が止んで覗いた陽光の創り出したイリュージョン。その絵画のような光景に、少年の表情だけが激しく不釣り合いだ。
「綺麗な虹じゃないか。何の不満がある?」
「『虹の根元には幸せが埋まってる』って話、聞いたことある?」
ロイの問いには答えずに、顰めた顔のままでエドワードは問うた。
「いいや。お伽噺かい?」
「絵本か何かだったと思うんだけど」
確か、幼馴染みに半ば強引に押し付けられたそれにあったような気がする。幸せを探しに、どこまでも虹を辿っていく少女の話。でも。
「虹って、アーチに見えても実際は円形だろ? その根元ってことはつまり 始点が終点で‥‥‥」
云いつつエドワードはもう一度、窓の外の虹に目を遣った。もう消えかけてきたそれに少しだけ目をとめて、振り切るようにくるりと勢いよく振り返る。その正面、円周上でエドワードから一番遠いその場所で、
「何の不満がある?」
「何に満足しろって?」
薄く笑んで繰り返したロイに、エドワードは瞳を眇めて問い返した。
「青い鳥はすぐ傍に。まさにお伽噺のような見事な結末じゃあないか」
「うん、とりあえず大人しく埋め戻されてくれる?」
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