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palladium
『そして女神は、世界中に飛び散った夫の躯を集める旅に出ました。』
「傲慢」
「‥‥‥」
「どケチ」
「‥‥‥‥‥」
「自分勝手」
「‥‥‥‥‥‥‥」
ソファに転がって、ついさっきまで読んでいた本は今は頬杖の台。行儀悪く足をばたつかせて、エドワードは悪口を大盤で振る舞っていた。
『腕を、足を、胴を頭を。集めた躯を並べて女神は祈ります。』
「公私混同」
「‥‥‥鋼の、」
それが数分も続いた頃、漸くロイは口を開いた。溜め息と共に言葉を押し出す。
「どういった感想を持とうと君の勝手だがね、」
据えられた金瞳を見返せば、大仰に眉が顰められる。
「それを私に向かって云うのは止めてくれないか?」
『彼女は豊穣の神。その魔力により、死した夫は蘇ったのです。』
ふい、と視線を逸らし、忌々しげにエドワードは呟いた。
「だから嫌いなんだ、神様なんて」
苦情の落ちた先は肘の下の神話集。
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