silicon




「世界が自分を中心に回ってたら、とかさ、思ったことない?」
「ないね」

あっさりと云いきった男を、少年は少し意外そうに見遣る。

「へえ」

大佐はそういうの好きかと思ったんだけど。
その言葉に、

「どういう認識かね」
「そういう認識」

苦い顔で返せば、さらに軽い笑いが返される。
溜め息をひとつ吐いて、男は云った。

「己の足場こそが世界の中心なら、」
「なら?」
「どれほど足掻こうと、中心以外には移動し得ないと云うことだろう?」

落ちることはない。けれどまた、昇ることも適わない。
それでは果たせないのだ、男の望みは。

「見下ろすことに意味がある。見渡すなどは煩わしい」

独り言めいた男の呟きに、少年はニヤリと笑う。

「ほらね、やっぱり」

好きなんじゃないか、そういうの。










珪素。炭素族元素の一つ。記号 Si 原子番号一四。原子量二八・〇八六。
地球の中心は地核だけど溶けちゃうからそしたら北極か南極よね・・・ それはちょっとなあ・・・なんて余計なことを考えつつ。
合金鋼2本目。珪素鋼はコイルの鉄心材。

...030611up

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