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silicon
「世界が自分を中心に回ってたら、とかさ、思ったことない?」
「ないね」
あっさりと云いきった男を、少年は少し意外そうに見遣る。
「へえ」
大佐はそういうの好きかと思ったんだけど。
その言葉に、
「どういう認識かね」
「そういう認識」
苦い顔で返せば、さらに軽い笑いが返される。
溜め息をひとつ吐いて、男は云った。
「己の足場こそが世界の中心なら、」
「なら?」
「どれほど足掻こうと、中心以外には移動し得ないと云うことだろう?」
落ちることはない。けれどまた、昇ることも適わない。
それでは果たせないのだ、男の望みは。
「見下ろすことに意味がある。見渡すなどは煩わしい」
独り言めいた男の呟きに、少年はニヤリと笑う。
「ほらね、やっぱり」
好きなんじゃないか、そういうの。
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