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technetium
「新たな発見が真理として世に認められるためには‥‥‥」
書類に目を落としていた男が、不意に顔を上げて曰った。不審そうに向けられる目を見返して、講義口調で続ける。
「不可欠な要素が二つある。さて、一つは?」
「‥‥‥誰が計算しても同じ解答が出ること」
「そう。そしてもう一つ、誰が実験しても同じ結果が出ること」
嘆息しつつも答えた少年に、満足そうに頷いてさらに云う。
「その意味で、君の錬成実績の大半は真理とはならない」
手にしていた紙の束を机の端に押しやり、
「流石天才少年、といったところかな」
他意などありませんと大書きした爽やかすぎる笑顔を向けてくる男に、少年はきつく眉根を寄せる。そして、渋い顔で口を開いた。滔々と述べる。
「‥‥‥‥‥‥機関士のオッチャンらよりも上手く汽車動かせるヤツなんか 滅多にいないし、メシ作んなら食堂のオバちゃんが断然早いし旨い」
「そりゃあ、本職だからね」
何を云い出したかと見来る視線を一瞥で制して、
「おんなじ設計図あったって、他の誰かにコレと同じもの作れるたぁ 思わないし」
金属の腕で、金属の脚をカツン、と叩く。それに、と続けて、
「ホークアイ中尉以外の人に、大佐のお守りが出来るとも思えないしね」
両の手のひらをかざし、ふぅ、とわざとらしく嘆息する。
反論しかけていた男が、口元を引きつらせて黙り込んだのにひとつ笑った彼は、
「真理なんてね」
笑みを消し、呟くように云った。
「認められなくったって、あるところにはあるんだよ」
「神の名のもとに?」
皮肉めかした男の言葉に、少年は少し考えて、
「いいや、それを云うなら‥‥‥」
「人の子のもとに」
やはり皮肉めいた声音で、告げた。
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