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cerium
所詮これも色褪せて。
机上には一枚の写真。整列が、後ろから押されて崩れる瞬間の集合写真。
馴染みの面々の間の抜けた顔に小さく笑う。
裏に走り書かれた日付からはまだ日が浅い。
「一枚持っていくかい?」
「やめとくよ」
そんな会話をしたことを思い出す。
持っていかない理由を聞いた自分に、彼は何と答えたのだったか。
同じ事をする。今。あの時の彼と。
写真を伏せて机の上に戻した。
今日で最後になる部屋をぐるりと見渡す。
「‥‥‥ああ、」
そうだったな、鋼の。
褪せるものは今はいらないと、確かそう云って。
「感傷に浸る暇など、まだないか」
振り返らずに部屋を出る。
これをここに残して、自分は次の場所へ。
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