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neodymium
「大佐〜、この前の報告書なんだけど、」
エドワードがノックをしながら部屋の扉を開いたのは、午前1時を少し回った、まあつまりは真夜中だった。
人を訪ねる時間帯ではないが、部屋の主が溜めに溜めた書類の処理で今夜ここにいることは昼間に彼の部下から聞き知っており、エドワードの方も資料室を漁っていたらいつの間にやらこんな時間だったわけで、陣中見舞いと名目を整えてみた単なる気分転換が訪問の一番の理由だ。
報告書の提出、もうちょっと待ってくれない? と続けようとしたエドワードを、ロイの静かな声が遮る。
「常々思っていたのだが」
「は?」
「我々は働き過ぎだ。そうは思わないかね、鋼の」
「はぁ」
「というわけで昼寝をしよう」
「はぁぁ!?」
繰り返すが時刻は午前1時過ぎ。
もしもーし。あのー。エドワードの呼びかけを聞こえぬ素振りでロイが席を立つ。そのまま腕を掴まれ、何だかよく分からない勢いで連れられていった先は仮眠室だった。雑魚寝部屋ではなく、小さくとも個室になっているのは、それなりに上の人間用なのだろう。
扉のプレートを「使用中」に裏返すロイに、エドワードは一応自己主張してみる。
「大佐、オレ眠くないんだけど」
「私は眠い」
ああそうですか。
なら勝手にひとりで寝てろ。すり抜けようとしたエドワードの襟首を掴み、ロイは寝台に放り投げた。
「うわッ」
放り出されたエドワードの上に、まず脱ぎ捨てられた青の上衣、続いてロイが降ってくる。
「重いって」
押し退けようとしてその耳元で怒鳴ったときにはもう、
「おーい」
ロイは眠りに落ちていた。
「どうすんだ、これ‥‥‥?」
夢の中でまで眉間に皺を寄せている男。
嘆息し、諦めて瞳を閉じれば、確かに待ち構えていたように眠気が襲ってくる。
寝台はなかなかの寝心地だ。
掛け布団は最低だけど。意識を手放す前に毒突いた。
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