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neon
「ああいった‥‥‥」
眼前は雨雲のグレー。窓ガラスを伝う雨の雫。それを目で追って、ロイは口を開いた。
「水一滴のかさはおよそ0.03mlだそうだが、それを決めるものを 知っているかい?」
今度は何事だ。警戒心をあらわにしながら、エドワードは読んでいた本から顔を上げる。
「表面張力と凝縮力と固着力、だったっけ?」
その答えにロイは鷹揚に頷いた。エドワードを振り向いて、
「既存の物質の中で、水に勝る表面張力を持つものはただひとつ、 水銀のみ」
そこで、一呼吸置く。
「と、云われているが‥‥‥」
エドワードの瞳を見据え、続けた。脳裏を覆う赤。
「それを超えるかもしれない物質がひとつだけあるね」
「賢者の石、か」
即座に返された名前に再び頷き、自問するように云う。
「その大きな一滴に、いったい、何を孕んでいるのだろうね」
それにエドワードは真面目な顔で、
「夢と希望だろ」
云った。そしてにやりと笑う。
「‥‥‥なるほど」
ロイは軽く目を瞠り、
「君には似合いだ」
「どういう意味だよ」
不機嫌な声に笑った。視界を彩るのは金。
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