praseodymium




なんて見事な宵の空!




「熱でもあるのか?」
「たまには感嘆符を前向きに使ってみようと思って」

んのに、随分な言い種だよね全く。
正気を疑ってかかるロイに、エドワードは不機嫌に返した。

「オレが空ほめちゃおかしいワケ?」
「内容はともかく口調がおかしい」
「大佐は存在がおかしい」
「私のような完璧は人間がこの世にいることが?」
「云ってねえっての!」

ひと怒鳴りしてエドワードはため息をついた。だからさあ。続ける。

「こんな後ろ向きな使い方ばっかってどうよ? と思ってみたんだよちょっとだけ」

云えば、何だそんなことかとロイは胸を張った。

「私はちゃんと使っているよ。『君はなんて美しいんだ!』とかね」
「あー、そーね」
「前向きだろう?」
「はいはい」

疲れた顔でソファに転がったエドワードを暫し見遣って、思い出したようにロイが口を開いた。

「で、鋼の」
「なに?」
「空の話はどうなった?」
「止める。なんかアンタに話すの勿体なくなった」

その返答に、ロイは軽く肩を竦めた。




夕暮れのあと、赤の名残はすっかり消え去り、けれど夜空にはまだ少し早い緑に透ける深い青。
汽車の窓からそれを見つけたときのあの感動を、
じゃあ、どうやって云い表そう?










プラセオジム。希土類元素の一つ。記号 Pr 原子番号五九。原子量一四〇・九一。
ギリシャ語の「青みがかった緑」が語源。語源とは少し違うのですが今回のイメージは紺系ではなく黒に近い青緑です。

...090606up

back


[PR]湘南美容外科で働きませんか?:全国19院。医師、看護師ほか募集中