rhodium




ラヴィアンローズ。
君と過ごすバラ色の日々。





「バラ色だろうと朽葉色だろうと、視界の全てがその一色に染まるというの
 なら、 それは全てに色が無いのと同じことではないのかね」
「ご愁傷様。けどどうせ次が何人もいるんだろ」

ソファに転がって本に目を落としたまま、いかにも気のない素振りでエドワードは背後からの声に答えた。
つーか朽葉色って? 色を思い浮かべようとして早々に放棄する。たぶん時間の無駄だ。

「‥‥‥話が読めないのだが?」

怪訝なそれに、

「だから、振られたんだろ?」

首だけで振り向いて返す。

「で、幸せそうな世間サマとか、上手くいってるハボック少尉辺りを妬んで、
 んなこと云ってるんじゃないの?」
「大間違いだよ」

云って、ロイはふぅ、とわざとらしいほどに大きな息をつく。

「ふーん」
「それだけかい?」
「って?」
「聞かないのかね?」
「聞いて欲しいの?」
「君が聞きたいのなら」
「じゃあいいや」

あっさりと本に顔を戻したエドワードに、ロイはゆるく首を振って、自身も億劫そうに仕事へと意識を戻した。





たとえそれがバラ色だとて。
単色の日々にはいつか飽きる。










ロジウム。元素記号 Rh 原子番号四五。原子量一〇二・九〇五。
化合物の水溶液がバラ色になるそうです。
単調な日々なんか送れない人の酸っぱいブドウ的屁理屈。

...040901up

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