|
uranium
空へとのばした人の手がいつか神を掴むなら、機械のこの手が掴むのは やはり機械の神か。
「なら天国とやらも違うわけだよね、きっと」
機械の天国ってどんなもんなんだか。
ソファに座ったまま空を見上げても見えるのは当たり前に天井で、沈んだクリーム色に面白いところなんて見出せるはずもない。視線を横にずらして窓の外を眺めれば、それこそ天国まで透けて見えそうなくらい澄んだ青い空。芝生で昼寝でもしたらさぞかし気持ちがいいだろう。
冷たい革張りのソファは陽を受ける芝生とは比べものにもならないが、まあいいかと目を閉じかけたところに、
「悩んだところで」
オレよりも少しだけ空に近い場所から声がかかった。オレよりもってのは高さじゃなくて窓との距離がだ。
その声が続ける。
「我々冒涜者の手など、のばしてもはたき落とされるだけだろう。
地獄を造り分けるような手間はかけんだろうから、墜ちる場所なら
人でも機械でもきっと同じ所だ」
だから。
「百年後にそこで逢おう」
「‥‥‥いくつまで生きる気だよ」
呆れて笑う。気の長い話だ。
|