|
fire
この火は、己が意思。
己が声。己が力。己が望み。
「で、あるはずなのに‥‥‥」
手のひらで顔を覆い、肩を落とすロイを、エドワードはただ見遣る。
エドワードに出来ることは何もなかった。かける言葉はひとつだけあるが。
「愚かだな、私は」
小さく嗤う。痛むのは傷ついた誇りか、先を恐れる心か、
それとも、
「とりあえず薬塗れば?」
差し出されたオ○ナイン。
「焔の錬金術師がヤケドした、なんて、云わないでおいてやるからさ」
条件次第でね。
人の悪い笑みを浮かべるエドワードに、ロイは深く溜め息をつく。
穴が空くほど見つめても、やはり、手のひらには火ぶくれ。
|