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nonstop・express
「何でコレがココにあんの‥‥‥?」
眉根を寄せ、心底訝しげに呟く。
「ああ、証拠品として押収した」
そんなエドワードに事も無げに返された台詞がまた想定外。
「だからなんで!?」
「だから、証拠品だよ」
物分かりの悪い悪い子供にでもするように繰り返したロイに、歯噛みしてエドワードはソレを指差した。
「持ってきちゃったら機関士さんが困るだろうがッ!」
返してきなさい!!
お母さん口調で怒鳴ったエドワードとロイの視線の先には、剥がし取られた汽車の壁、オプション付き。
かつてエドワードとアルフォンスが蒸気機関車の中で過激派とランデブーした事件の際に、エドワードが錬成したちょっとファンシー(本人談)な拡声器が、一塊りの周囲の壁ごと部屋の片隅に安置されていた。
「そういう気遣いは事を起こす前にしてやるべきだったな。君らが大立ち回りを やらかした舞台で今更、壁の一部ごとき」
肩を竦めるロイに、エドワードはうっと言葉に詰まる。
「‥‥‥だいたいこんなもん、押収する必要もないだろうが」
「いや、話のネタにね」
「は?」
負け惜しみのような言葉に、ロイはさらに力の抜ける答えを返した。
「こうしてみると、」
ぽかんとするエドワードを放って、それを示しつつ続ける。
「豆や小豆と云うより、最早ケシ粒だな、という話を先日、」
「誰がッ!!?」
「‥‥‥ハボック少尉が」
「ツブす!!!」
猛烈な勢いで詰め寄ったエドワードは、その名に踵を返して部屋を飛び出していった。
開かれたままの扉を眺めながら、ロイは呟く。
「と、云うのは嘘で」
本当は私が云ったのだがね。
その言葉に被せるように、エドワードが消えた方向から轟音と絶叫が聞こえてきた。
「さて」 逃げるか。
ロイは席を立ち、廊下を騒音と逆の方向に曲がる。
十数分後、真犯人を知った怒り心頭のエドワードが駆け戻ってきたときには、部屋には例の証拠品が残されていただけだった。
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